お悩み相談:進路の決め方について

○質問

進路の決め方(主に大学・学部選びや将来の職業)について聞いてみたいです。学校で度々考える機会はあるだろうし、家でも聞いてみたりするのですが深く考えていない(自分が将来やりたいことがわからない?)ようなので、先生方の経験談をお聞きしたいです。また、なんとなくやりたいことが決まっている子向けに、目標の実現のためにどのように考えて行動していけば良いかも聞いてみたいです。

 

○回答

・T先生

現役男子高校生からの回答です。


高校の文理選択→理系
・古文が嫌い
・嫌いな人が文系
・趣味が理系(写真、IT系、F1、飛行機)


僕自身も今後どう進むか、何をやりたいかというのを明確には決めていませんが、今自分が持ってる能力・自分が好きなことや趣味を少しでも活かせるような道に進んでいこうと思っています。

僕は古文が大っっっっ嫌いで、一刻も早くおさらばしたいと思っています。

自分に合わないものと向き合うのはしんどいと思うので、長所や好きな事・物を仕事にしたいと思います。
実際CAOの講師も、自分のITスキルを活かせますし、"楽しい"と思えるからやっています。


自分の好きなことが分からない・没頭できるものが見つからないのなら、食わず嫌いせずに、いろんな文化・学問・趣味の世界に片足を突っ込んでみるといいと思います。

・G先生

自分は優柔不断すぎてこれがやりたい!!!!みたいなものが特になかったので、将来どういう状態になっていたいか・逆にやりたくないことは何なのかを考えてました。


選択肢の中から要らないものを消していって残ったものを選んでいった感じです。

将来どういう状態になっていたいか
・お金に不自由なく暮らせる
・時間に縛られることなく働ける
・海外に拠点を持つ
・家で働ける


やりたくないこと
・早寝早起き
・規則が多い職場で働くこと
・出産育児でキャリアが分断されること
・肉体労働
・年功序列

→これらのことから将来的に独立して会社経営or海外で働ける
進路を目指すのが良いのではないかと考えました。

 

高校時代の文理選択(文理めっちゃ迷いました)
→最終的に理系
・嫌いな人が全員文系行った
・生物が面白くてもっとやりたいなとなった
・親戚に理系行った人があまりいなかった
・コミュニケーションよりも知識重視な印象があったので海外に出やすそう


大学受験
・医療系
・心理学
・生物系
→最終的に心理学


どれも親戚に専攻した人がいないので知識の供給源がない状態。自分のやりたいものの中で知識が欲しくなった時に頼れる人がいない専攻を優先的に選んだ。

・医療系については国家資格で強い。しかし私は物忘れがひどいタイプなので患者さんに迷惑かけたくない。また、親戚にはいなかったが父の知り合いに医療系がいたのでパス。


・心理学に関しては、小学生の時から興味があった。またAIが出てくる中で人間の心が重要視されてくるのではないかと思った。汎用性が高い。途中で理系行きたくなったら院行けばよい。


・生物系、研究職などしか思いつかず、もしこの分野で会社やるとして莫大な資金が必要な気がしており、資金調達などが大変そう。

就職
→エンジニアか不動産か税理士か証券会社で迷う
→最終的にエンジニア


・無料のプログラミングスクールに参加したらプログラミングが楽しすぎてめちゃめちゃ自分に合っていた


・親戚でエンジニアの人がいないので、起業するときにIT系の知識で頼る人がおらず、自分がやるしかない


・海外でも働ける


・どの業界とも関わることが出来る


・初期費用が安く済みそう(イメージ)


・親戚に不動産会社で働いている人&金融系専攻がいるので、不動産orお金の専門知識欲しかったらその人たちに頼ればいい


・あと体育会系が無理


・士業はAI出てきたらなくなりそう


・金融系は趣味でやってるので、仕事にしたら逆に嫌いになりそう

・H先生

将来について全く考えていない工学部2年生からの回答です。

・高校:周りの評判がいいから、特待が取れたから、工業高校に興味があった。


・大学:先生におすすめをいくつか提示してもらったなかでAIを学べる学校だった。
という理由で進学先を決めました。

就職先と進学先は「必ず」とも直結しない(相関はあると思いますが)という話を先生にされて自分にはかなり刺さりました。


そそのかされたのかもしれませんが、、、結局この言葉で「大学で勉強する分野=就職先」みたいなイメージを捨てられました。


その後、就職のことは度外視して勉強したいことを勉強できる大学に進学しました。

中学での勉強は怠らずに取り組んでいたので、かえって進路を考えずにいたのですが、やりたいことを見つけて、何が必要かを考えて、ひとつひとつ課題をこなしていくと進路先での充実感は高まると思います。

問いから逸れますが、最強なのはどんな環境でも楽しめる人間になることだと思います!

・H先生

今の大学、今の専攻を選んだきっかけ


・とにかく実家を出て都会で暮らして刺激を受けたかった


・「英語を勉強しているプロセス」と「ざっくり海外」が好きだったので、言語の勉強ができれば正直何語でも楽しめると思った


・最初は日本語専攻を志望していた


・センター試験で人生最大に緊張して最悪の点数をとってしまい、(失礼なのですが)倍率の低くマイナーな言語で受験することになった


・もちろんそれだけで選んだわけではなく、高校生の時「ISに関連したテロ」が毎日テレビを賑わわせていた。家族はじめ世の中の雰囲気が「イスラム教=過激、怖い」となっていることに疑問を覚え、「知らないから、もしくはメディアに煽られて怖いだけでは?」と思ってイスラム圏の言語に決めた

・進路について人と話すとき、「それ勉強して将来何になるの?」と本当によく聞かれたが、大学は職業訓練校ではない!という考えがあった

就職予定先を選んだきっかけ
・休学して、某ベンチャー企業で営業の長期インターンをした。毎日毎日電話をかける。新規顧客獲得がゴール。営業チームのリーダーになってしまうくらい頑張った

・でも、社内の良く知らない人が作った(または外注した)ものをただ「売ること」だけを追求して働くのが苦しかった

・既製品を売る人よりは製品やサービスそのものを作る人という観点でようやく志望先が少し絞れた。エンジニアが焦点に入ってきた

・父親が同僚の業務効率改善のソフトを作っていたことが印象に残っていた。両親は昼夜休日働きづめ、子どもの学校行事に来れないのは当たり前だったが、そんな人たちを楽にしたいと思った

・以上の観点から、業務効率改善のためのシステムを提供するSIerを視野に入れた。また、SIerといっても最初の設計だけして残りの作業は下請けに外注するという環境では、結局「自分が自分の手で責任もって作れない」、満足できないのではないかと思い、一次請けのみの会社に絞った

やりたいことが決まっている人へ

その分野で大成している人に話を聞きに行ってみたらいいと思います。結構勇気がいりますが、その人にしか見えない景色の話を聞けます。

昆虫博士になりたければ本物の昆虫博士に会いに行けばいいし、任天堂でゲームを作りたかったら任天堂にまつわる情報を集めてイベントに行ったりして。たぶんそういうアツい子どもを見ると、大人は大体嬉しくなっちゃうのでもしかしたらマリオ作った人と話せるかもしれません。

・保護者A

何も考える機会のなかった人のパターンです。

とにかく家から一番近い高校を選び、そこそこの進学校へ
そこそこの進学校を要領だけで乗り越え高校三年生
要領だけでは大学受験を乗り越えられず、大学に落ち、短大へ

就職
イヤすぎると続けられなくなるので、めちゃくちゃ転職しまくりました。


経理系の資格は特に持っていないのですが、経験と独学で、数社の経理を請け負っています。

周りの大人からも先生からも進路について考えさせられたことがなく、成績をみて、ここがいいんじゃないか、理系じゃなくて文系だな、って言われての感じでした。

私が自分で考えることができていればよかったのですが、あの時に、CAOみたいに色々な大人と関わる機会があればよかったな、と思います!

学生の皆さん、ぜひ色んな大人と関わってください!


特に、ここには、いい意味で変な大人がたくさんいるので、様々な価値観や考え方を知ることができると思います。

先生方の経験談ではなくすみません、大人になって苦労した人のパターンでした笑

・保護者B

進路の話、横から入らせていただいても?

私の親は「大学は勉強をするためだけに行く所ではない。人と出会うために行く所だぞ」といつも言ってました。

確かに沢山の出会いがありました。大学の中だけじゃなく、バイト先や下宿先。私は実家を離れて他県に行ったので、方言との出会いも!まぁ、バリバリの関西弁で応戦しましたけど。

自分の学力で行けるとこが法学部だったので、興味ないけど法学部に。でもね、やっぱり知らないことを知るって楽しい!多分、どの学部に行ってても楽しかったんじゃないかなー。よっぽど嫌いなジャンルじゃない限り。

大学時代のバイトで接客の楽しさを知ったので、就職は接客業をチョイス。好きな英語も活かせて一石二鳥、ってことでホテルにしました。法学部、関係なし。

そして現在、無職。見習ってはいけない例として登場させていただきました。サンキュー。

*ホテルのフロントで使う英語の9割は道案内。簡単。みんながプログラミングで使ってるGOとRIGHTとLEFTさえ覚えとけばなんとかなります😁

・質問者

講師の皆さん、保護者の皆さんの投稿すごく参考になります!!


自分が学生だったころと比べて生き方の選択肢がすごく多様になったように感じていて「どうやって選べばいいのー😱 」となっていたので皆さんの考え方を知れて良かったです。

自分の好きなもの・好きなことに関してじっくり向き合って整理し、分かりやすく伝えてくださっていてすごいなと思いました。皆さんの投稿を一気に読んで消化するのは難しいようなので、子供には少しずつ読んで味わってもらって、自分の将来とか何が好きなのかについて考えつつ過ごして欲しいなと思います。ありがとうございました☺️

私は昔から思い込みが激しくてガンコな性格なので、母に度々ささやかれていた「結婚出産しても仕事が続けられるように手に職つけなさい」という言葉と、自分の中にあった生物とか化学の勉強や研究ができたらいいな~というふわっとした気持ちから薬剤師に決めました。

中学生くらいの時に深く考えずに決めてそのまま進んでしまったので、本当にこれで良かったのかなーと思うこともありますが、今では親に感謝しています😁

・保護者C

進路について、保護者ですが、特殊な事例を話しても良いでしょうか。

・大学、学部の決め方について

私は小学生低学年の頃から高校まで、将来の夢が変わらなかったため、学部は一択でした。

しかも小学生の頃は一切吹いたことが無いのに、フルート奏者になりたい!という無謀な夢。

なぜ吹いたことが無いのに?というところには理由があるのですが、フルートは中学生になってから、部活で始めました。

夢から逆算して、音楽大学もしくは音楽学部に入ることが目標になりましたが、親から私立は絶対NGを出されていたので、選択肢は国公立大学。

日本にある国公立芸大は四校のみの狭き門です。


実は音楽科のある高校もあるので、高校受験前に見学に行きましたが、住んでいる地域からは遠くて下宿が必要だったため、親の反対により地元の進学校に進みました。


親から反対される理由としては、何といっても音楽はお金がかかるから!


音楽学部の試験には、学校では習わない楽典、ソルフェージュ、聴音など専門的な知識を問われ、専攻問わずピアノは必須科目です。

そのための個人レッスン代に楽器代、楽譜代など経済的に負担が大きいです。しかも大学に入るにもコネクションが必要だったり…と、親としてはおすすめしたくない世界かもしれません。

私の場合、大学受験に必要な音楽の専門知識の勉強を最初独学でしていて、高校2年生からレッスンに通い始めたため、芸大は到底無理であろうと思い、教育学部の中に音楽学科がある大学なら行けるかもしれないと、志望校は現実的な国立の大学に変更しました。

とは言っても、試験内容は芸大と変わりありません。専攻楽器の実技以外にピアノ実技、上記諸々の試験があり、その代わりに勉強は理系が不要になります。(国・社・英の三科目だけでよい)

ちなみに高校は進学校だったためにバイト禁止でしたが、内緒でこっそりバイトしてお金を貯めて、親の経済的負担を減らすように努力しました。

・就職について

無事、志望校に合格してからは、大学の勉強だけでなく海外アーティストのセミナーに参加したり、レッスンを受けたりするために、全国を飛び回りました。その中で自分にはソリストは向いていないと感じ、やはり音楽で食べていけるなんて、夢のまた夢。


在学中、大学の近くのコンサートホールでボランティアスタッフをしていたことをきっかけに、私はアーティストを支える側の仕事がしたいと思い、レコード会社を中心とした、マスコミ関係の就職を考えました。

レコード会社も日本にはこれまた数社しかないので、音楽番組やMVを制作している会社にも興味をもち、内定を勝ち取ったのが、テレビ番組や映像制作をする編集プロダクション。


本当はミキサーといって、音をミキシングする職が希望でしたが、エディターといって映像を編集するほうで採用されました。


もちろんそんな知識は、就職するまで一切なかったので、就職したときに一から学び、仕事をこなしました。

K先生が好きなPerfumeのライブビデオを制作するためのライブ素材をパソコンに取り込むために、1日中ライブを観ていたり、T先生の好きなF1の番組の編集に立ち会ったり、なんていう役得な仕事もありました。

・現在

結婚して半年くらいは仕事を辞めずに、東京と山形で遠距離婚をしていたのですが、マスコミの仕事は朝から次の日の朝まで、というのが当時は普通のことで、さすがに子どものことを考えると難しいので、退職しました。

大学を受ける前からフルートの師匠に、どんな道に進むことになってもいいように、絶対に教員免許だけはとっておきなさい!と言われていたので、私の中で先生と呼ばれる職業は、なりたくない職業ワースト3に入るのですが、一応とりました。

その教えのおかげで、今は教員免許を生かし、特別支援学校で教員をしています。教員採用試験は一度も受けたことがないのですが、まもなく10年目に突入します💦


長くなりましたが、人生何がどこで、どう役に立つかわかりません。
私は自分の経験から、夢は諦めなければきっと叶うと思っています。

特殊すぎて、あまり参考にならないかもしれませんが、こんな人もいますよという一例で。

・K裏講師

【高校受験】

前提
・信号も無い田舎に住んでいてそこに高校は無い
・近くの市の場合、普通科・商業科・農業科・工業科
・中学生の頃は動画編集にハマっていた

結果

工業科をよく知らないまま「電気っぽいしパソコンいじれそう!」って理由で、近い市の工業科の高校を志望しました。

ところが点数が到底足りないので、面接で担当の先生に「僕の中学からこの高校を志望しているのは僕だけです。

色んな中学から生徒を取った方が良い高校に感じます。

次年度も中学の進路実績として載るので来年も応募が来ると思います。

ちなみに勉強はできません。

でも、問題を起こすタイプの生徒に、問題を起こさせないように上手く状況を作る自信はすごくあります。」っていう荒業ギャンブルで合格しました。

ちなみに動画編集は一切なく、ひたすら半田付けしてました(笑)

【就職】

工業高校に来る求人案内の大半が工場系で「きっと工場系は淡々と作業しそう。

たぶんそれは苦手だ・・・」っていう雑な思い込みで、「工場系以外なら何でもいい」で進めました。それでも求人案内は100ページ以上あって、全部見るのはめんどくさい!遊んでいたい!っていうのと「たぶんどこに進んでもなんやかんや楽しめるっしょ」みたいなノリで、パラパラパラパラ….ここ!で決めました。

メーカーから家電や電材を買って、街の電気屋さんに売る卸売業です。

超ブラックで人権無いんじゃないかと思う会社でしたが、目の前にやることがたくさんあって同僚や先輩と一緒に解決していくのは楽しかったです。

就職して1年も経てば仕事も覚えてなんとなく会社の全体像が見えてきたので、次は給与と出世だ!という「自分が楽しむための目標」を持ちました。

ーーー読み飛ばしてOKーーー

その過程で、
・社内の決裁権持ってるおっちゃんを味方に付ける
・顧客から評価されてて、顧客の顧客からも評価されてて、メーカーからも評価されて、会社にちゃんと利益が立ってれば、上司や先輩も何も言えない
を組み合わせたらめちゃつよだ〜と思いました。
その為に、休みの日に会社の人や顧客やメーカーの仕事を、頼まれても無いのに手伝いました(媚売り大作戦)

顧客の電気屋さんは新築戸建て住宅の案件を狙っています。

大抵の場合こういう大きな仕事では電気屋+建築屋+αみたいに、複数業者が一緒になってやるのですが、電気屋さん以外は僕の担当外です。

てかそもそも会社的に担当外です。

しかし電気屋さん以外の材料を入手することは可能です。

そこで、電気屋さんに対して「赤字レベルで商品卸すから、他の業者の材料入手先を全部僕になるように上手く根回ししてほしい」とお願いしたら、すんなり通ってしまいました。

どうやら、他の業者はホームセンターで材料集めたり、メーカーに頼ったりの部分もあったので、全部一元管理できるなら楽だしありがたいとのことでした。

実際にはメーカーの担当者とも仲良くしていたので、今回の件も全部話して安く仕入れさせてもらえました。

その代わりに、金額を気にしない顧客のときには、メーカーからうちへ高く売って欲しい・特定の商品の販売ノルマがあるときは、強制的にうちへ売ってもらってok、なんとか捌いてみせるぜ!っていう話をしました。

これだ!と思い、早速それの流れでやることを会社に伝えました。

当然同僚や先輩からは「それはチートだろ」「そんな管理できないだろ」みたいに言われましたが、上司は味方に付いていて顧客も僕以外の担当にするなら契約終了レベルまでの関係値にしていたのですんなり通りました。

実際管理はクソ大変でした。

で、無事成功!これをキッカケに、このやり方を色々なところでやっていったら、最年少で営業31人中の3位になれました。

その後会社の重要顧客を担当することになり、給与もボーナスも大幅に上がりました。

出世はできませんでした。

ーーー読み飛ばし終わりーーー

・今やりたいことが決まっていなくても、そのうち何かの拍子でやりたいことが生まれることもあるから焦る必要はない(そのためには今を全力で楽しんでみる(勉強・仕事・遊び・生活、すべてのことに対して))

・やりたいことが、具体的にこれ!っていうのじゃなくても、「0から何かを作る」「1を100にする」「人と話す」みたいな動詞的に見つかることもある

・人はいつか死ぬので(なんなら突然)、どうせ今生きてるなら今ある目の前のことに全力を注いでみた方が、それが錯覚だとしても楽しいんじゃないか

と、僕は思っています!賛否両論!

つまり、入るときは何も考えてなく、入ってから楽しみ方を考えるタイプです。

以上、おわり。

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